家族ライフログアプリ 開発ご検討にあたって

知らないうちに他社の特許を侵害しないために、
要件定義フェーズをご提案します

ご提出先 光雲堂 御中
件名 家族ライフログ/終活アプリ 新規開発
作成日 2026年7月29日

1結論

  1. この領域には、すでに先行するサービスがあります。 「死後にメッセージを届ける」「一定期間ログインがなければ家族へ開示する」仕組みは、既存サービスに実装例があります。特許が存在する前提で進めるのが安全です。
  2. 真似していなくても、侵害は成立します。 判断されるのは「請求項の条件に当てはまるか」だけです。独自に考えて作った場合でも成立し得ます。「知らなかった」は免責になりません(特許法103条)。
  3. 対処できるのは、設計を固める前だけです。 今なら実装方式を変えるだけで回避できます。開発後・リリース後では、費用も期間も桁が変わります。

2ソフトウェア特許の3つの性質

善意でも
侵害になる

故意も、他社を参考にした事実も不要です。侵害した者には過失があったと推定されます(特許法103条)。

判定は
「機能の組み合わせ」

アプリ全体が似ているかではなく、請求項の条件をすべて満たすかで決まります。一つ外せば侵害にはなりません。

だから
回避設計が効く

目的(家族に安全に引き継ぐ)は変えず、実現方式だけを変える。仕様を決める段階でしかできない打ち手です。

権利を主張された場合

該当機能の差止め(サービス停止を含む)/損害賠償(特許法102条により損害額が推定されます)/過去分に遡ったライセンス料の交渉。立ち上げ直後に起きると、事業計画そのものが止まります。

契約実務上のご留意点

システム開発では、開発会社が第三者の権利を侵害していないことを保証しないのが通例です(当社も同様です)。調査を工程として発注しない限り、このリスクは発注者側に残ります。

3特に注意が必要な機能

いずれも「作れない」ではなく、実装方式を検討してから決めるべき箇所です。

機能 リスク 懸念 回避の方向性
死亡の検知
未ログインで家族へ通知
無操作を検知して登録先へ通知・開示する流れは、既存サービスに実装例があります。 検知の主体をシステム自動判定から家族の申請起点へ変える等、条件の組み立てを変更。
死後の段階的アンロック
書類確認+承認で開示
本アプリの中核であり、最も特許が集まりやすい部分です。 鍵の分割保管の方式変更、承認を運営業務として外に出す(システムの請求項から外す)。
未来へのメッセージ
誕生日等に時限配信
預けたメッセージを将来の指定日に自動送信する仕組みは、類似サービスが複数あります。 配信トリガーや預託先の設計変更。初期リリースでは対象外とし、第2フェーズで実装する判断も有効。
生前/死後の表示切替 同じデータの公開範囲を、逝去を境に自動で切り替える制御そのものが対象になり得ます。 最初から2領域に分けて保存する。切替を自動ではなく承認起点にする。
秘密情報の保管・鍵の分離 暗号技術自体は公知ですが、鍵を分割して配る等の運用と組み合わせた形式は権利化例があります。 標準的な暗号方式を採用し、独自の組み合わせを作り込まない。
デジタル家系図 登録情報から関係性を自動で図示・推定する処理は、系譜サービスに先行例があります。 自動推定を行わず入力ベースにする、表示方法を変える。
家族限定SNS/課金
招待・承認、タイムライン
広く一般化した機能であり、決済はプラットフォームの標準機能を利用します。 一般的な実装に留めます。大きな設計変更は不要と想定しています。

※ リスク度は公開情報と機能の一般性からの想定であり、個別の特許を特定した判定ではありません。

4いつ気づくかで、負担が変わります

判明のタイミング 必要な対応 追加費用の目安 事業への影響
要件定義中
今回のご提案
仕様書の記載を変更する。実装方式を選び直す。 実質ゼロ
工程内に含まれます
なし
開発中 設計・実装のやり直し。周辺機能への波及とテスト再実施。 数十〜数百万円規模
+1〜2ヶ月の遅延

リリース時期の後ろ倒し
リリース後の警告 機能停止、改修、代理人を通じた交渉、代替機能の再開発。 賠償・和解金は
算定困難

サービス停止・信用への影響
安価な見積との違い

要件を詰めずに出された見積は、この確認工程を含んでいない場合があります。先に確認することは、費用を増やす工程ではなく、後からの追加費用を防ぐ工程です。

53ヶ月で行うこと

1ヶ月目

機能の棚卸しと
調査対象の確定

  • 全機能を洗い出し、初期リリース範囲を整理
  • 特許と突き合わせられる粒度まで機能を分解
  • 提携先(弁理士・調査会社)と調査範囲・費用を調整
2ヶ月目

先行調査と
回避設計

  • 対象機能について公開特許・登録特許を調査
  • 該当があれば実装方式の変更・後回し・代替案を比較
  • 自社で権利化を狙える部分も洗い出し
3ヶ月目

仕様の確定と
根拠の記録

  • 回避方針を反映した最終仕様書・画面設計
  • 検討の経緯と判断根拠を文書化(後日の防御材料)
  • 確定仕様に基づく本開発の正式見積を提示

この工程で得られるもの

リスクの見える化どの機能が、どの程度危ないのかが根拠とともに分かります。
設計での回避作ってから直すのではなく、最初から抵触しない形で作ります。
判断の記録調査し検討した記録が残り、万一の際の防御材料になります。
正確な開発見積仕様が確定するため、概算に含まれるバッファを外せます。総額を抑えられる可能性があります。

6ご提案

REQUIREMENTS DEFINITION
月額 60万円 × 3ヶ月 = 180万円(税別)
含まれるもの
  • 定例ミーティング(週次または隔週)
  • 要件整理・機能仕様書・画面設計
  • 特許リスクの機能別評価と回避方針
  • 提携先との調整・検討経緯の文書化
  • 本開発の確定見積・フェーズ計画
別途となるもの
  • 弁理士・調査会社による調査・鑑定の費用(1ヶ月目にお見積り)
  • 特許出願を行う場合の実費・代理人費用
  • 本開発の費用(要件確定後にご提示)

なぜ月額の伴走なのか

仕様が動くため抵触が見つかれば仕様を組み替えます。仕様を固定する一括請負とは相性がよくありません。
判断を分けられるため仕様と費用を確定させたうえで、本開発に進むかを改めてご判断いただけます。
社内で進めやすいため構想段階で大きな金額を稟議にかけるより、調査と要件確定の工程として起案いただく方が合意を得やすいものと存じます。補助金申請の計画精度も高められます。
本資料についてのご留意事項

本資料は一般的な考え方と当社の実務上の知見を整理したものであり、特定の特許権に関する法的な鑑定・判定を行うものではありません。

最終的な判断は弁理士・弁護士等の専門家によるものとなります。当社は提携先と連携して支援いたしますが、調査を実施した場合でも、将来にわたり第三者から権利主張を受けないことを保証するものではありません。記載の目安は現時点の情報に基づく想定であり、調査結果により変動する場合がございます。

株式会社ピースフラットシステム │ 2026年7月29日